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Vol.9 都市型ワイナリーはどこでブドウを育てるか?

作成日時 Fri, April 01, 2016
カテゴリー: 立花峰夫のワインコラム

世界各地で、都市型ワイナリーが爆発的流行中です。ジャンシス・ロビンソン編纂のスーパーワイン辞典 The Oxford Companion to Wineにも、昨年秋刊行の第4版からUrban Wineriesという見出しが加わりました。一過性のブームでは終わらず、新しい形のワイン・ツーリズムとして定着するのではないかと思います。

 

都市型ワイナリーは、醸造設備にレストランやワインバーを併設、という形が一般的です。が、中にはお客さん(会員)が設備を借りて、自分のワインを仕込めるようなところもあって、これは都市にあるからこそのサービスですね。「課長、今日はボク定時で上がります。シャルドネの発酵が終わりそうなので」とか、お洒落サラリーマンがさりげなく口にしていそうです。カッコいいのかどうかはよくわかりませんが。

 

しかしながら、都市型ワイナリーには構造的な問題がひとつありまして、近くにブドウ畑を持てないというものです。だいたいは、少し離れた郊外のワイン産地で取れたブドウを、トラックで運んでくるというパターン。もっと遠いところから、たとえばマンハッタンのワイナリーが、カリフォルニアからブドウを取り寄せるようなこともあります(外国産のブドウを使うのだって珍しくはありません)。

 

都市農業というと、地産地消、環境保全、景観創出、食育提供などがそのメリットです。都市型ワイナリーも都市農業の一形態だとすると、ブドウ畑はワイナリーの近くに、つまりは町中にあったほうがイイということになるのですが、現実にはなかなかそうもいきません。都心に遊んでいる土地なんてそうそうないですし、あっても高いですし、地価だけでなく栽培自体のコストも高くなります(畑が小さく作業効率が悪くなるので)。そもそも、町中の畑がブドウ栽培に向く優れたテロワールなのか、というのも問題です。コストは高いわ、ワインはショボいわでは、いかに理想が素晴らしくても商売として持続しないでしょう。なので、「町中ではないけれど、比較的近くにあるまともな畑」を使うのが、現実的な次善策なのです。

 

それでも、あくまで理想を追うチャレンジャーというのはどこにでもいます。たとえば、サンフランシスコにあるNeighborhood Vineyardsがピノ・ノワールを育てているのは、バーナル・ハイツという市内の住宅街。今年が初収穫の予定なのですが、樹の数はわずか200本ほどで、出来上がるワインも1樽(750ml瓶で約300本)がせいぜいとのこと。冗談みたいな数ですが、多数のボランティアが栽培作業に携わっていて、なかなか楽しそうではあります。このプロジェクトを始めたのは、Elly Hortshorn というまだ若いおねえさんで、パリ市内にある有名なブドウ畑 Clos Montmartreから着想を得たのだそうです。さて、ワインはどんな味がするのでしょうかね。

 

ニューヨークにもアンファン・テリブルはおります。Rooftop Redsというワイナリーを運営するふたりの若者が畑を拓いたのは、なんとビルの屋上です。ブルックリン近くのダンボという場所にあるビルだそうで、400坪ほどある広い屋上に、長さ2.5メートルほどの細長いプランターを36個並べています。仕立てはちゃんとVSP(アメリカで一般的な垣根仕立ての呼称)、植わっているのは赤用ボルドー品種で、やはり今年が初収穫、できあがるワインの量は180~240本とのこと。正気を疑うような試みですが、曰くそのビルの屋上は風があって気温も高く、生育期間が長くなる素敵なテロワールだそう。これまたどんな味のワインになるのやらです。

 

いずれ、「部屋の中にネッビオーロを植えました。日焼けランプと扇風機が最高のミクロクリマを生んでいます」みたいな話も出てきそうですね。マンハッタンにはすでに、自分の住居であるアパートを改装してワイナリーにした強者がいるので(Village Winery Club)、「クロ・ド・俺の部屋」の誕生もそう遠くない気がします。

 

<参考サイト>
http://www.sfchronicle.com/…/Making-Pinot-Noir-in-the-heart…
http://www.neighborhoodvineyards.org/#intro
http://www.winespectator.com/webfeature/show/id/52807
http://www.rooftopreds.com/
https://www.thrillist.com/…/village-winery-club-nyc-apartme…
http://villagewineryclub.nyc/


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立花峰夫:
ワイン専門翻訳サービス タチバナ・ペール・エ・フィス代表。
ワインライターとして専門誌に寄稿も行う。訳書・監修書多数。
(タチバナ・ペール・エ・フィス:
http://www.tpf.kyoto.jp)
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